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清明節ー掃墓 ~ 祖を慕う

今日は、4月2日、甲寅日。台湾では4月4日の「清明節」を迎えるために四連休です。



中華圏で、「掃墓(Saŏ Mù)」とは、読んで字の如し、お墓の掃除のこと。つまり、日本でいうところのお墓参りの時期を意味します。
お墓周りの枯葉やゴミを取り除き、お墓の掃除をして、供物やお線香をあげて、先祖を敬い、供養する日なのです。
日本では、お彼岸やお盆にあたります。こういう伝統的な習慣、っていいですよね。



中国では、先祖があってこそ、我々が生まれてきた。
風水でも、祖山があるから、龍脈があって父母山があり龍穴が結ばれる、と考えます。

だから祖先をことのほか大事にします。どこの家も、毎年、清明節の前後には、きちんとお墓の掃除をしてご先祖様の供養をするのですね。

清の時代の歴代の皇帝は、みな先祖の陵墓を非常に重視していました。祖陵の祭祀は、毎年大小合わせて30回以上に及んだそうです。



今日、時代背景は変わりました。王制及び封建主義的な国は減り、それにとって変わり民主主義が進み、植民地だった国の多くは独立しました。また、世界経済は資本主義とグローバリズムの影響化にあります。

それにともない現代人の生活は先進国の都市部を中心に、ますます便利になり、また個別化しています。就業形態や仕事も多様化し、インターネットの発達で、住まいや生活スタイルもどんどん変わり、より自由になっています。



昔の人の大多数は、農業に従事していました。開墾や畑作業には、身体の壮健な男子の労働力が何よりも必要でした。生まれた男の子は、後に労働力となり、農作物の生産性を左右し、ひいては富の多寡に繋がるため、最も重要な存在でした。生産性を上げて富の蓄積をするには豊富な労働力が必要だった訳です。

ところが、今日、特に都市部では農業に従事する人の割合いは減り、会社に就業すれば生活していけるために、親族で一箇所に暮らす必要性は無くなり、家長制度も無くなりました。



時代によって社会制度は変わり、一族で官吏や役人を輩出することを目指し努力し、あるいは王族・貴族という特権階級に生まれなくても、最低限は暮らしていける時代になったのです。

都市部では、何らかの才能があれば、食べていける時代。そういった時代には、祖祖父からの恩恵や祖を振り返るということも重視されなくなったのかもしれませんね。



現代の価値観は、即物的であり「物と金しかない」となげく向きもあります。でも、古今東西、あいも変わらず「物と金しかない」だったのでは?

いえ、そうではありません。



実は、恋慕の気持ちが人を動かしているのです。
恋慕の気持ちが、自分の人生の舵取りをしていることに気がつかされます。

一族への恋慕。家族への恋慕。お上への恋慕。会社への恋慕。神への恋慕。
それとも恋人への恋慕、植物や動物、自然、宇宙かもしれません。

「自己同一視」の中に恋慕の感情は現れます。



そう考えてみると、祖の祭祀・掃墓という行いは、まさしく、祖への恋慕であり、自己同一視であるということが、分かってきます。

DNA(遺伝子)自体が、祖から脈々と引き継いできた資質そのものですし。

ところが、世の中には、強いものが弱いものを攻撃して、勝つという思想があり、動物界の一面でもあります。
弱肉強食ですね。勝った者がすべてを搾取し、支配する。

そういう目にあう経験を沢山して、ひどく裏切られたり、騙されたり、利用されたり、いじめられて傷つくと、なかなか、他を自己同一視できなくなります。愛せなくなる。



つまり、祖、家族、友達、恋人を含め、動物、世界、地球などの存在に、恋慕し、「自己同一視」し、相手を手助けすることができる人は、もっとも、幸福な人なのだと思います。
そして、過剰に求めたり、虐めたり、搾取したり、支配するなどの行為をしないので、また、多くの存在から愛される人であるともいえるのですね。人から嫌われる人というのは、その逆の行為をやっているということです。
掃墓について、考えていたら、そんなことが想い浮かびました。
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プロフィール

Sofia・Shusei・Lin

Author:Sofia・Shusei・Lin
林 秀靜(りん しゅうせい)
命理学研究家。
1990~1998年、鮑黎明先生に師事し、八字・紫微斗数・卜卦・風水・相法を学ぶ。
1999~2008年、玉川学園漢方岡田医院で、先天体質と病気について研究する。
2013~2016年、台湾に3年間留学。張玉正先生に師事し、風水と紫微斗数を学ぶ。
帰国後は執筆、専門書の翻訳を手がける。
著書は『日本で一番わかりやすい四柱推命の本』(PHP研究所)『【秘訣】紫微斗数1命盤を読み解く』『【秘訣】紫微斗数2格局と開運法』(太玄社)など70冊以上。累計発行部数は300万部。翻訳書に『実証!風水開祖・楊救貧の帝王風水』『【実証】中国歴代帝王・王妃の帝陵風水』(太玄社)がある。

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